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  • 【GAWA for Horse Riders #3 草薙達也】

    2026.01.15

    草薙 達也 × GAWA(Orie Nakauchi)

    ―「馬の呼吸を感じ、心をそろえる。」―

     

     

    ■ プロフィール

    座間近代乗馬クラブ所属。

    2025年 CSI-W KAKEGAWA 優勝

    2025年 JRAホースショー グランプリ 3位

    2024~2025年 ひょうごインドアグランプリ 2連覇

    2020~2022年 CSI-W Miki Hyogo  3連覇

    2021年 JAPAN OPEN FINAL Aグレード 優勝

    2011年 山口国体 成年男子標準障害飛越 優勝

    2010年 広州アジア大会の総合馬術に出場

    2000年 全日本学生賞典総合馬術競技大会 優勝

     馬の状態を大切にしながら、指導と競技の両面で活躍するライダー。

     

     

    ■ 馬と、人と。

    ── 草薙さんといえば、とても落ち着いた印象があります。

    草薙:

    そうですね。現場では穏やかに見えるかもしれませんが、実際は常に緊張感があります。

    馬や生徒たちが本気で向き合っているからこそ、その空気を壊さないように自分も落ち着いていたいんです。

    チーム全体がいい流れで動くには、まず指導している自分が冷静でいなきゃいけないと思っています。

    ── 試合の時に厳しい一面を見たことがあります。

    でも、そこに“馬への愛情”のようなものを感じたのを覚えています。

    草薙:

    生徒に厳しく言う時は、馬のためなんです。自分のことよりもまず“馬ファースト”で行動してほしい。

    馬が気持ちよく過ごせていないのに、人が満足していても意味がないですから。

    その点は妥協できません。

    そして試合では、いつもより意識を丁寧に澄ませています。

    馬の小さな変化も感じ取れるように、静かに集中しているんです。

    現場では緊張感が必要ですが、クラブに戻ればリラックスした雰囲気でいたい。

    その切り替えが大事ですね。

     

     

    ■ 「試合の8割は、準備で決まる」

    ── 今回のインタビュー中、草薙さんの印象的な言葉の一つに「試合の8割は準備で決まる」というのがありました。

    草薙:

    準備というのは、ただ道具を整えることだけではありません。

    馬のコンディションを見極め、自分の心を落ち着け、馬と人、両方のリズムをひとつにしていく。

    そういう時間を含めて“準備”なんです。

    そこまで出来ていれば、もう8割は終わったようなものだと思います。

    ── その“準備”の考え方に、GAWAのモノづくりの思想も重なります。

    GAWAのソックスを実際に履いてみて、どんな印象でしたか?

    草薙:

    まず、靴との一体感に驚きました。

    実際、先日馬事公苑で行われた全日本障害でこのソックスを履いて望みました。

    正直今までそこまで靴下は気にもなっていませんでした(笑)。

    でも当日、今まで感じたことの無い安定感というか密着具合というかグリップ力があり、

    こんなにも馬の動きに集中できるんだという事に驚きました。

    そういう意味では、GAWAのソックスはとても理想的です。

     

     

    ■ 次の世代へ

    ── 今、クラブでは若いライダーの指導もされていますね。

    草薙:

    はい。子どもたちや若手を教える中で大切にしているのは、“結果を急がないこと”。

    馬を理解する時間を増やしてほしいんです。馬が楽しく動けるようになれば、自然と人も成長しますから。

    焦るよりも、馬と向き合う時間を丁寧に積み重ねてほしいですね。

    ── 厳しさと優しさのバランスが難しいところですよね。

    草薙:

    そうですね。でも、どちらも“馬のため”という考えがあれば、自然と答えは出ます。

    自分が落ち着いていれば、馬も安心する。

    そういう意味では、日々の指導や練習も“準備”の一部なんです。

     

     

    草薙達也Instagram

    https://www.instagram.com/tatsuya_ksng/

    座間近代乗馬クラブHP

    http://zama-rc1974.com/

     

     

    編集後記

    インタビューの中で、草薙さんは何度も「馬の気持ちを考える」という言葉を口にした。その言葉には、技術論では語れない“本質”がある。

    彼にとって馬術は、人間の競技ではなく、馬と一緒に行う共同作業。だからこそ、馬の体調や心の動きを敏感に感じ取ろうとする。

    大学時代には強豪校の馬術部で主将を務め、仲間とともに動くことの大切さを体で覚えてきた人でもある。

    その経験が、今の“静かなリーダーシップ”につながっているように感じた。

    印象的だったのは、彼が「準備」という言葉を使う時、それが単なる段取りやルーティンを意味していなかったこと。

    馬の呼吸、自分の呼吸、そしてチームの空気を整える。その全てを“準備”と呼んでいた。

    静かに語りながらも、彼の中には強い意志がある。

    それは“勝ちたい”ではなく、“馬といい関係でいたい”という意志だ。

    厳しさの裏にあるその誠実さが、彼を知る人たちに信頼される理由だと思う。

    GAWAが大切にしている「整える」という考え方。それは、草薙さんの“馬ファースト”という哲学とまっすぐにつながっていた。

    彼のような選手が存在することこそ、このブランドを作る意味だと、改めて感じた。

    Interview & Edit:Orie Nakauchi(GAWA Director/Designer)