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  • 【GAWA for Horse Riders #5 高田潤】

    2026.01.16

    高田潤 × GAWA (Orie Nakauchi)

    ―「それぞれのペースを尊重するということ。」―

     

     

     

    ■ プロフィール

    SILVANO STABLES(京都)所属

    2025年 国民スポーツ大会 成年男子 S&H 優勝

    2023年 全日本障害選手権中障害A S&H 優勝

    2022 年 Japan Open CSI-W Kakegawa 2 位

    2021 年 Japan Open CSI-W Kakegawa 優勝

    2020 年 Fuji Horse Show Autumn GP CSI-W Fuji 優勝

                 Japan Open CSI-W Kakegawa 優勝

    2019 年 Japan Open Final CSI グランプリ 優勝

           大阪グランプリ CSI-W 大阪 優勝

           全日本障害馬術大会 2019 S-A 優勝

    2018 年 東日本障害馬術大会 大障害 B 優勝

            近畿馬術大会 中障害 A 優勝

    クラブ運営・調教・指導の三軸を担い、馬と人双方に“時間をかけて育てる”姿勢を貫く。

     

     

    ■ 馬と人に、向き合い続ける現場

    ── SILVANO STABLESは、どんな雰囲気のクラブですか?

    高田:

    会員制のクラブという形は変わりませんが、競技を目指したい人も、楽しみとして乗馬を続けたい人も、

    それぞれが自分のペースでいられる場所であればいいなと思っています。

    無理に引っ張るというより、馬の様子を見ながら、人の様子も見る。

    結果を急ぐより、日々の積み重ねを大事にしているクラブですね。

    ── クラブを運営する立場と、指導者としての立場で、意識が変わることはありますか?

    高田:

    正直、大きく変わることはないです。どの立場でも一番大事なのは、馬を大事にすること。

    あとは、焦らせないことですね。その軸はずっと変わりません。

    今日できたかどうかだけで判断するより、半年後、一年後、その先を見ながら積み重ねていく。

    その方が、馬も人もしっかり結果に結びつくと思っています。

     

     

    ■ 「育てる」ということ

    ── 馬を育てることと、人を育てることは似ていると感じますか?

    高田:

    きっと同じなんじゃないかな、と感じています。

    怒って詰めても馬は良くならないように、スタッフや若い選手も押しすぎると続きません。

    それに、馬は人間の都合で縁あってここに来ている存在です。

    だから途中で投げ出すのではなく最後まで面倒を見て、その馬の一生をきちんと見届けてあげる責任がある。

    良い日も悪い日も含めて全部を受け止めながら、その馬らしさを大切に育てていく。

    時間をかけることが何より大切だと思っています。

    焦らせず、積み重ねていけば、馬も人も確実に変わっていくと信じています。

     

     

    ■ それぞれのペースを尊重するということ

    ── 若い世代と向き合う中で、大切にしていることは何ですか?

    高田:

    それぞれのペースを尊重することですね。

    結果を急ぐよりも、その過程で築いていく信頼を大事にしたいと思っています。

    僕自身、就職していた別の乗馬クラブを離れて、ベルギーとドイツで一年半ほど馬術を学んだ時期がありました。

    安定した環境を手放して海外に行くことに、不安がなかったわけではありません。

    それでも、一度外の世界を見てみたいという気持ちの方が強かった。

    海外の馬術は、環境も考え方も大きく違います。その中で過ごした時間は、

    馬術だけでなく、自分自身の視野を大きく広げてくれました。

    だからこそ、若い世代には、できるだけ早い段階で広い世界を経験してほしいと思っています。

    海外に行くには情報やつても必要ですし、簡単なことではありません。

    でも、行きたいという気持ちがあるなら、その芽は消したくない。

    どうやって後押しできるか、今も模索しています。

     

     

    ■ 現場の実感から始まった、靴下づくり

    ── 日々使う道具についても、現場目線を大切にされていますよね。

    高田:

    そうですね。毎日使うものほど、わずかな違いが大きな差になります。

    ブーツの中の小さなズレや、足元の安定感は、そのまま馬への伝わり方に影響してきます。

    ── 実は今回のソックスづくりは、日常的なやり取りの中で、お互いに同じ違和感を感じていたことがきっかけでしたね。 “今売られている靴下って、正直ちょっと作りが弱いよね”とか“滑り落ちるのどうにかならないの?”とお互い同じことを感じていたのがきっかけでしたよね。

    高田:

    そうでしたね。

    実は僕だけじゃなくて、周りでも同じ声は多かったです。

    「ここがこうだったら…」「もう少し安定したらいいのに」とか。

    毎日乗るからこそ気づく小さな違和感が積み重なっていた時にたまたま話していたら同感してくれて(笑)。

    ── 実際に出来上がったGAWAのソックスを使ってみてどうでしたか?

    高田:

    欲しかった部分が全部詰め込まれていました。

    だから現場での使いやすさはすぐに分かりました。

    もしかしたら生地の厚さ問題は他の人は気にするかもしれませんが、僕は一年中この靴下だけで過ごしますし、

    多分これじゃないとダメかもしれない。だから絶対会員さんにも勧めます。

     

     

    高田潤Instagram

    https://www.instagram.com/jun_takada511/

    SILVANO STABLES (シルヴァーノ ステーブルス) HP

    https://www.silvano-kyoto.com/

     

     

    編集後記

    高田潤さんを初めて見たのは、彼がまだ少年の頃だった。

    馬が好きで、でも少し怖くて、泣きながら乗っていた姿をよく覚えている。

    あれから年月が経ち、彼は今、馬と人の両方に向き合う立場にいる。

    早く結果を求めるのではなく、それぞれのペースを尊重しながら、信頼を少しずつ積み重ねていく。

    今日だけを見るのではなく、半年後・一年後・5年後の姿を一緒に思い描きながら進んでいく。

    その考え方は、GAWAが大切にしている「整える」「誠実に積み重ねる」 という思想と静かに重なっている。

    あの頃少年だった彼がクラブを率いる今の姿は当時を知る者にとって、とても頼もしく、心に強く響く。

    Interview & Edit:Orie Nakauchi(GAWA Director/Designer)